この本は、
AI を使うために、
AI を使って書きました。
「AI を使うために、AI を使って書く」と書くと、入れ子の遊びのようですが、実際そのとおりに進めました。AI 関連の用語が会話の入口で人を止めている場面を一冊にまとめたい、と思ったところから始めて、語彙集をひとりで 339 件書き切るのは現実的ではなく、Claude Code を中心にした多エージェントのオーケストレーションで進めることにしました。
5 エージェントの並列実行を 49 バッチに分けて、2 セッションで 245 件を本書きしました。スケルトン(YAML と空の見出しだけ)を全候補に先に作り、validator が機械チェックを通してから本文を書き起こすという流れです。バッチごとに失敗・再投入が混じるため、設計よりも運用のリトライ前提が効きました。
著者欄の「非エンジニアのつまずき」と「私のコメント」だけは、AI に任せきれない部分として最後まで音声口述で残しました。雑に話したものを AI が 4 ラベル・字数ルールに整形して提示し、こちらが確認して書き込む。この対話パイプライン自体をスキル化して、誰でも同じ精度で進められるようにしてあります。
書き終えて感じたのは、AI で書けることと AI で書くべきことは違うということです。事実の整理・構造の維持・字数管理は AI が得意で、本人の経験と判断は人間が担う。本書はその境界線を、ひとつの実例として記録したものでもあります。バイブコーディング、という本書のテーマそのものが、この協働の手法でした。
各エントリに evaluation_date を添えたのは、この本そのものがある時点のスナップショットだという自覚から来ています。AI が進化すれば本書も版を更新します。気になる語があれば本書を引いて、戻ってきた現場でその語を使ってみてください。それが「会話に戻る」ということです。